シル婆ぁひとり歩きお遍路

純米酒と仏とjazzが好き

シル婆ぁが出会ったお遍路たち(その4)

孤独な一人歩き遍路にとって、人との出会いは一期一会。

道に迷って声をかけられたり、着かず離れず前後して歩いたり、時には励ましあったり。お杖、白衣、菅笠、リュックのどれかで、遠くからでもお遍路ってすぐわかるのよ。

お遍路に出てまず感じたのが外国人の多さ。日本人より多いくらい…そして、外国人は、若い子ばかりだった。女の子の一人遍路、男の子は二人連れが多かったなぁ。反対に、日本人は年配の人が圧倒的に多かった。

日本人の女一人のお遍路には会わなかったなあ…。

歩きで通し打ちの男の人は、リュックが巨大なのですぐわかる。男の足でだいたい40日から50日かかるという。ほとんどが退職後の年代だった。万が一の野宿に備えてマットやシュラフを持っている人も多かった。シル婆ぁの荷物は4〜5kgだったけど、通し打ちは15〜20kgにもなると言っていた。リュックにプラスしてクーラーボックスをくくりつけたカートを引いている人もいた。

夫婦でのんびり歩いているお遍路もけっこういた。夫婦+ワンコもいた。

野宿しているお遍路も何人か見た。すべて外人の男の子。

 

1番霊山寺からしばらくは、日本人より外国人のお遍路が多いくらいだったけど、12番焼山寺では日本人が圧倒的に多くなり、そこから先、特に20番鶴林寺あたりからは歩き遍路はまばら(車遍路はそれなりにいる)。23番薬王寺は、急にお遍路、観光客がともにいっぱい。曜日のせいもあるかもしれない。

 

高知に入り、24番最御崎寺は大量のお遍路と観光客!でも、25番津照寺以降は、ぼちぼちしかおらず、高知市内は、お遍路は希少生物だった。特に桂浜では、見てはいけないもののように浮いていたね。

 

お遍路以外も出会いがあった。

薬王寺日和佐駅で話しかけてきたおじいちゃん。徳島市内に戻る電車でずっと話が弾んだ。高知城から自宅に戻ると言う。奥様と子どもに先立たれ、一人であちこちに旅行して友達を増やすのが楽しみと言っていた。

徳島市の居酒屋で一人飲みした時は、隣の席でやっぱり一人で飲んでいた酔い酔いの若いおねぇちゃんに「私もお遍路したい!」と声をかけられた。岩手出身東京在住で、一人でバスツアーで徳島に来たんだって。シル婆ぁはよく一人居酒屋するけど、おねぇちゃんに絡まれたのは初めてだった。いゃん!若い娘さんって可愛いね!たぶん彼女は酔ってて覚えてないと思うけど。

 

基本孤独な一人お遍路だったから、シル婆ぁにとっては、どんな出会いも全て大切な思い出…。半年近く経った今でも、全ての人を鮮明に覚えている。