シル婆ぁひとり歩きお遍路

純米酒と仏とjazzが好き

お遍路宿のご主人の話

色々と思い出深いお遍路宿…。シル婆ぁが聞いたお遍路宿のご主人たちの話を書こうと思う。

今回泊まったお遍路宿(すべて徳島県)は、すべてご家族、ご夫婦か親子で切り盛りしている感じだった。40代くらいの方もいれば70代くらいの方も。寡黙なご主人もいれば、気さくにお遍路とお話しをされるご主人もいた。

最近は外国人のお遍路がすごく増えて、日本人より外人が多いんですって。翻訳ソフトと身振り手振りで、何とかコミュニケーションをとるから大変!と言いつつとても楽しそう。ヨーロッパ、カナダ、韓国人が多いと。そして外人の方は素泊まりが多く、コンビニで買ってくる。食料調達に失敗したら何も食べない。

お寺から外国人を泊めてくれと電話が来ることもある。お坊さんは若いから英語が話せるからね。と。

支度をしていても連絡もなく宿に現れなかったり、お寺まで迎えに来て、お寺まで送って、今日は○○寺まで行くからリュックを届けて欲しい、等々無理難題を言う外国人もいるらしい。その話しをされたご主人は、頼まれたことはできるだけ応えてあげると言っていたけど、そんなこんなで外国人はすべてお断りしているお宿もあるとのこと。

宿の方もピンからキリまでで、夕飯に冷凍食品のチャーハンに漬物だけのところもあるらしい。

そしてオーナーの高齢化やコロナ禍で休業を余儀なくされ、廃業してしまったお宿も多かったそう。シル婆ぁも最新2022年版の「四国遍路ひとり歩き同行二人」を参考にしたけど、既に廃業・休業のお宿もいくつもあったし、お遍路宿の残骸を何件も見た。

私が宿泊したお遍路宿は、皆お遍路宿の他にお仕事をされているようだった。お遍路宿と農業の兼業だったり、他の観光施設のオーナーのだったり。前のオーナーに頼まれてお宿を引き継いだ、というご方もいれば、県外から移住して、廃業した宿を再開した方もいた。

お遍路宿で利益を…というより、ご接待の気持ちでやっているのかな、という印象だった。私は、すべて良いお遍路宿に当たった。お遍路の入口の徳島県、そこを担うプライドとおもてなし精神があるからこそ、徳島のお遍路宿は快適なんだと思う。